【ハザードマップは見てますか?】武蔵小杉タワマンの「うんこ禁止令騒動」についての考察。水害災害対応はいかに。

【ハザードマップは見てますか?】武蔵小杉タワマンの「うんこ禁止令騒動」についての考察。水害災害対応はいかに。

4ヶ月ほど前に書いた記事を投稿するのを忘れていましたが、せっかくなので備忘録のためにも投稿致します。

2019年10月12日(土)の台風19号の影響により、神奈川県川崎市のJR武蔵小杉駅周辺が大きな被害を受けたようです。

報道やTwitterで話題になっていた武蔵小杉のタワーマンションが浸水してしまい、停電も発生し、なんと「うんこ禁止令」なんてのも出たようですね。Twitterで話題になったり、取材も殺到してしまったりと世の中で大きく取り上げられたことは記憶に新しいと思います。

引用:Twitter

なぜかタワマン、タワマンと騒がれているが、本件については別にタワマンが悪いわけではないと思っています。

うんこ禁止令の理由は、結局立地の問題

別にタワマンが悪いわけではないと思います。

どんな建物であろうが、結局立地が悪ければ、あのような結果を引き起こしかねません。

まずはこの画像を見てください。以前、ブラタモリで使われたTV映像のスクリーンショットです。

昔の多摩川はクネクネに曲がりくねっていた

現在の多摩川は無理やり人の手によってストレートにされた

もうお分かりでしょうか。

武蔵小杉という土地は、無理やり多摩川をストレートに矯正し、昔河川だった場所にタワマンを建設したのです。

当然、河川があった箇所は、砂が堆積しているために地盤はゆるいし、平地なので標高も低いです。現在、そんなところに住宅やマンションが建ち並んでいるわけでなのです。

戦後の高度成長期には、深刻な住宅不足であったために、災害リスクをそこまで考えることなく、このように河川を曲げて無理やり土地を作ったようです。おそらく当時、ここまで大きな台風が来ることも想定されていなかったかのように思います。

ハザードマップ上でも、この武蔵小杉は浸水される想定がされていたにも関わらず、不動産売買の際に説明しなければいけない事項には含まれていない為、特に説明も聞かずに知らず知らずのうちに買ってしまっていた人も少なくないかもしれません。(土砂災害については説明することが義務化されているが、水害については義務化されていない。)

怖いのは、不動産価格にこのハザードマップの危険度合いが一切組み込まれていないことです。これでも物件が売れてしまうのですから、ここまで買主がハザードマップに興味関心がないのかと思うととても怖いものですね。

 

 

江東5区(墨田・江東・足立・葛飾・江戸川)に存在する海抜マイナス1mのハザード地域

江東5区の中でも、江東区や墨田区はもともと海抜が極端に低いです。

かつては、この地域には工場用水が多く、ポンプで吸い上げてしまったことから地盤沈下が発生し、海抜がマイナスになってしまったという経緯があるようです。

興味があれば、ハザードマップはご自身で確認して頂きたいのだが、江東区の隅田川と荒川に囲まれた地域はすぐに水深5メートルを越えてしまう地域であり、この場合、2階にいてもアウトです。なにか災害があったらとにかく逃げてくれというアナウンスをしている地域に含まれております。

江戸川区、荒川が増水した場合に都心を守るため先に沈むように設計されていた?

これは、皮肉なもんですね。もともと「あらかわ」というくらいなので、ものすごく氾濫する河川だったことは間違いありません。(その土地、その土地には、その土地の特徴が名前に含まれていることが多いです。渋谷は「谷」であるとか。)

左右に堤防を作ったものの、都心側のほうが高くて、江戸川区側のほうが低くなっています。つまり、水がある程度溢れてくると、すべて江戸川区側で吸収することになってしまいます。

この画像に対してTwitterではこんな書き込みも見られました。

・全く関係ないから知らなかったが 江戸川区って荒川が増水した場合都心を守るため先に沈むように設計されてるんだな 冷静にそろばん叩けば当然なのかもしれんが当事者にはなりたくないねぇ。

・江戸川区が犠牲になる前提の設計なのかー

・トレンドになんで江戸川区?と思ってみてみたらなるほど江戸川区が犠牲になる作りなんですね

・荒川が氾濫したら都心部を守るために江戸川区側に全部水が行くようになってるから結構トロッコ問題は身近にあって、 簡単に切り捨てられる側になっちゃうんだよな ウケる…と思いました(切り捨てられる側) 

なんとも悲しい現実。都心を守るために設計をしたかどうかは別にして事実、設計がそうなのです。

では、もうすでに住んでしまっている人たちはどうすればいいのでしょうか。

住んではいけないので、出ていきましょうとでも言うのでしょうか。

はたまた野垂れ死ねとでもいうのでしょうか。

とりあえずは、災害対応、災害対策、アナウンス、普及啓蒙のようなことをやっていくしかないと思います。

あとは、制度、住宅ローン金利、火災保険料率などに地域ごとに大きく差をつけていくことで、ある一定の場所への誘導を行うしかないのではないでしょうか。

危険な地域の建物に対しての住宅ローン金利を高めに設定するようにすれば、おのずと危険区域に立っている物件の購入を避けられるはずです。または、水災に対応する火災保険料に関しても同様に危険区域では高めに設定すれば、おのずと安全地域への誘導につながると思います。

このように地区ごとに条件を変更することで、自然と住む人が安全な地域へ住まざるを得ないような環境、条件づくりが必須になってくるのではないかと考えております。

なにかご相談等、ございましたら私のTwitterアカウントからDMください。

 

 

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