中古マンションを買うとほぼ100%の確率で借金を負う!?(修繕積立金から見るマンション評価術)

中古マンションを買うとほぼ100%の確率で借金を負う!?(修繕積立金から見るマンション評価術)

今回は、中古マンションを買うとほぼ100%の確立で負債を負うことになると言う話について投稿していこうと思います。

修繕積立金」という観点からマンションを見ていくのですが、あまり多くの人が考慮できている視点ではないので、予め知っているだけで、かなりのメリットがあると思います。

修繕積立金とは?

分譲マンションで建物の壁や屋上、エントランスなど共用部分を維持・修繕するために定期的に行われる「大規模修繕」などに必要な資金をまかなうため、毎月徴収して積み立てておくお金のこと。

中古マンションを購入した際には、前の所有者が購入時から積み立ててきた修繕積立金を引き継ぐことができます。例えば、毎月1万円を積み立てていれば、年間12万円、15年で180万円に相当します。

一見、この話を聞くと、とてもオトクな印象を受けるが、これは大きな間違いなのです。オトクどころかむしろほぼ100%の確率で損をする(=負債を負う)ことになります。

これは、修繕積立金というのは、新築当初は、ものすごく低く設定されている為、いざ大規模修繕を行おうとしたその時には、そもそも足りていないことになるのです。言い換えれば、後から中古マンションを買ったオーナーは、足りていない分を自分で補わなければならないのです

適正な修繕積立金っていくら?

大規模修繕と言うのは12年〜15年サイクルで行われます。通常、修繕積立金というのは、占有面積1平米当たり月額200円(50平米のであれば月額1万円)を初回から積み立てていなければ、間に合わないと言われています。

つまり、足りていない場合は、何年間も蓄積されたマイナス分があなたに一気にのしかかってくると考えた方がいいと思います。例えば、月額3000円足りていなければ、15年間で54万円に相当します。決して、安い金額ではありませんよね…。

築10年くらいの中古マンションを大規模修繕の直前に購入してしまうと、購入して数年後には、50万円〜100万円規模の請求を受けることもあるそうです。

プラスに考えれば、後から請求がくるのは、然るべき大規模修繕を行うからという考えもできますが、一番怖いのは、修繕積立金が安いにも関わらず、なぜかその金額だけで賄えてしまっている場合です。このケースは、きちんとした大規模修繕が行われていないケースがあるので、注意すべきだと思います。

纏めますと、足りないマイナス分を後に自分が負担しなければならないんだと言う覚悟で中古マンションを購入しなければならないのです。むしろ売る立場であれば、大規模修繕を前にして売却を検討するのも一つの手かもしれませんね。

負債を抱えないためにはどうしたらよいのか

もちろんその通りなのですが、現実はそうは甘くありません。なぜならほとんどのマンションで修繕積立金が足りていないからです。

これは、新築マンション販売時に、不動産デベロッパーが買主に対して費用を安く見せたいと言う理由が大きいと思います。ほとんどのデベロッパーが横並びで同じことをするので、高く設定してしまうと競争力を出せなくなってしまうのです。デベロッパーのセールスマンにとっては、マンションが出来上がるまでに全部屋売却することがミッションなのですから修繕積立金のことなどどうでもいいのです。

もし、しっかりと修繕積立金を新築当初から積み立てができているマンションをあなたが見つけることができたならば、それはまさしく”買い”のマンションなのかもしれません。マンションの耐用年数と言う意味で持続可能性もありますし、途中で修繕積立金の値上げも行われることもありません。まさに不動産における資産性と言う観点からも素晴らしい物件のはずです。金融資産としての担保評価も保たれる可能性が高いのではないでしょうか。

修繕積立金が足りていないマンションを購入した場合の解決方法

ひとつ目は、予め足りていない分が自分で分かっているのですから、自分で積み立て(大規模修繕に備えた貯金)をしておくことです。後から「そんなの聞いてない!」となるよりは、断然いいですよね。しっかりと将来設計の中に記録しておきましょう。ほとんどの方は、このことを知らないので大慌てでお金を工面することになります。

ふたつ目は、特効薬ではないものの管理組合の活動に積極的に参加し、修繕積立金を含むマンションのお財布事情に密に関わっていき、オーナーみんなで良い方向へ修正していくしかないと思います。これが、自分の資産を中長期的に守る術の一つになるのです。(とても地道な作業ではありますが…)

こういった管理組合の活動は、オーナーがマイホームとして部屋に住んでいる分譲マンションであれば、当事者意識が高いので比較的話がしやすいのだが、特に都心のコンパクトレジデンスと言われる投資用のワンルームマンションを多く抱えるマンションですと、本人が住んでいないが為に、当事者意識が低く大規模修繕になど関心がほとんどありません

ひどい話だと、物件も見ずに買っている場合もあるので、一切マンション自体に愛着も湧いていない。そうなると、年に1回の管理組合の総会を開いても、ほとんど人も集まることはないです。さらには、その唯一総会に参加しているオーナーたちが、不動産の知識が乏しかった場合、マンションの管理会社からふっかけられたバカ高い大規模修繕の見積もりを、そのまま通してしまうなんてこともあるのです。

修繕積立金は安ければいいってもんじゃない!

これからマンション購入を検討されている方は、

「このマンションの修繕積立金は、安いから良い!」

ではなく、

「このマンションの修繕積立金は、安いから危険だ!」

と言う目線で見てもらえればと思います。

余談ではありますが、私の購入したマンションも近々管理組合の総会があるので、きっちりと内容を精査した上で、将来の自分の資産を守る為に議論をしてこようと思っています。

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