物件を買ったほうがいいのか、借りたほうがいいのか。
この永遠のテーマの結論は、とてもシンプルなもので、知っているか知らないかで将来に大きな差が出ます。
一般的な比較方法
賃貸か持ち家かを比較する際は、絶対に期間を区切ることが必須となってきます。
賃貸の場合は、毎月賃料を払い続け、2年毎に更新をする前提。
持ち家の場合は、住宅ローンと管理費を毎月支払っていき、修繕費が15年ごとにかかる前提で比較されます。
同じ広さやスペックのマンションで比較すると、だいたい同じくらいの総支払額になるのが常ではありますが、「持ち家は最後に土地と建物が残るから購入したほうが得だ、賃貸を一生払い続けるのは無駄だ」という結論とするのが、情報の記載内容になります。
もちろんこの見解が間違っていることはありませんし、私も完全に同意なのですが、結局はどんな物件を買うかであり、全てはこれに尽きると思います。
価値が落ちない、もしくは、落ちづらいものを選択して購入できるのであれば、間違いなく購入を選ぶべきです。
今後の物件価格の見通し
日本大学の清水氏の研究によると、2010年から見たときの30年後、つまり2040年の日本の物件価格は46%下落するという見立てが出ているそうです。
これは、日本のみならず、韓国、中国、タイなどでも同様の減少が起きると言われています。
例外なのは、ごくわずかな国だけのようで、特にフィリピンにおいては、国連の統計の推定によると2080年までに人口が増加し続けるそうです。こういった国の不動産価格は非常に下がりにくく強いです。
つまり、資産価値というのは、結局は人口動態次第なのである。
このまま日本も少子高齢化が進むと若い世代の人間が、多くの老人を養っていかなければならないのは、みなさんも承知だと思いますが、これが更に進むと社会保障の金額も上がり、実質の手取り金額も減少するに違いありません。
そうなると、いくら超低金利時代といえども、物件購入にしても賃貸にしても世の中の人々が資金力を失ってしまうのが、今後の日本全体の見通しです。
では、こういった情勢となっていきそうな中、1,000万円の物件が550万円になるのに物件を買うべきなのか?という最大の疑問となります。
不動産は三極化時代へ突入していく
ここで考えなければならないのは、物件価格が46%の下落するというのは、全国平均の話であって、実際には今後不動産市場は三極化していきます。
1.価値が落ちない不動産
2.価値が落ちにくい不動産
3.価値が落ちる不動産
おそらく1と2に該当する不動産は、全体の15%くらいになるであろうという見立てであり、残りの85%は今後ダラダラと価値が下がっていくしかない不動産と推測されます。
つまり、あなたが不動産を購入しようとするときは、常に30年後〜40年後を見据えた見解が必要になってくるのです。
4,000万円で購入したマンションが30年後3,000万円で売却できるのであれば、それこそ賃料を一生払い続けるなんてのは、金をドブに捨てるようなものです。
しかし、土地建物の価格が落ち続けるものを買い続けてしまうと、住宅ローンもドブに捨てるようなものになってしまいます。住宅ローン金利分、銀行を儲けさせているだけです。
不動産価格と住宅ローンの残高の目減り競争が始まり、下落率が高く、価値が落ちやすい物件を掴んでしまうと、家庭内債務超過が発生し、売却自体も難しくなるケースもあります。
やはり価値が落ちない住宅を買うことが大切になってきます。
住宅を買うメリット。リバースモーゲージ制度ってご存知ですか?
価値が落ちない住宅を買うメリットが、実はもうひとつあります。
これは、損得の話という観点よりは、あなたの生活に関わる大切な話です。
仮に30代や40代くらいで家を買ったとすると、住宅ローンの完済が60代か70代くらいになるでしょうか。
完済後、あなたの住宅の価格が4,000万円だったとします。
すると自宅を担保に金融機関から4,000万円を借りることができるのです。
しかも、この4,000万円は一生返済の義務はありません。
これをリバースモーゲージ制度といいます。
返済は、あなたが死んでしまったあとに、金融機関がその物件を売却することによってなされるのです。
この制度自体は、30年以上前からあるのですが、金融機関があまり取り組む姿勢を見せてこなかったので、世の中に浸透していませんでしたが、昨今では国の意向自体が変化してきており、価値のない不動産は評価できないが、価値が維持できる不動産については、しっかりと評価していこうという動きになってきているようです。
なので、30年後には、確実といっていいほどに、このリバースモーゲージ制度はしっかり整い、フル活用できる世の中ができあがっているだろうと思います。
建物のスペックなのか、立地なのか、いろんな意味で価値が落ちないものを買うことができると、まさに貯金していることと同等なので、絶対に購入すべきだと思います。
こんな超超超低金利時代でこの先これ以上の低金利時代はないと思いますので、これを利用しない理由はなく、マイホームを購入するというのはありだと考えています。
住宅というのは、家族と楽しく過ごすことのできるプライスレスという観点があるのは、重々承知はしているのですが、立派な資産でもあるので、自分たちの将来の生活や老後という観点でもしっかりと見極めていきたいところです。