【注文を覗き見】SBI証券のSOR問題の仕組み解説!魔の0.3秒でヘッジファンドが儲けている!

【注文を覗き見】SBI証券のSOR問題の仕組み解説!魔の0.3秒でヘッジファンドが儲けている!

最近、SBI証券のSOR注文を巡った問題が話題になっておりました。

この問題は、個人投資家に損害を与えて、ヘッジファンドに利益を与えるような取引を行っていたというものだそうです。

本件は、日経新聞がスクープしたのですが、もし本当だとしたらかなり悪どい話だと思います。というよりもSBI証券は下記で説明する魔の0.3秒を是正すると言っているようですので、自分たちの否を認めていることになるのでしょう。

では、内容を簡単にわかりやすく解説していきます。

 

 

SOR注文とは

SOR注文とは、Smart-Order-Routingと言われるものです。

一般的に個人投資家が株式売買の発注をした場合、東京証券取引所(以下、東証)に注文が飛ぶことになります。しかし、SBI証券では、PTSという私設取引システムを持っており、この両方(東証&PTS)に注文を発注することで、より条件の良い価格で取引できることを個人投資家のメリットとしてSBI証券は謳っています。通常、個人投資家は、SBI証券で注文すると同じ価格であれば、まずはPTSから約定することになります。

【SOR注文の画面】

左上にSORと記載がありますよね。

SBI証券で注文を出す際にはデフォルトでSOR注文で発注されることになっております。

SOR注文に関する疑惑

例えば、ある個人投資家がA社の株式を成行買い注文で1,000株発注したとします。発注した瞬間の現在値は100円だとします。

この瞬間に、SBI証券のPTSで売り注文が100株、東証で900株の売り注文が出ていたとすると、本来であれば、PTSで100円の値段で100株約定し、残りの900株は東証で同じく100円で約定することになり、晴れて個人投資家は100円で1,000株を約定し、保有することになります。

しかし、今回の問題では、本来あるべきフローで注文がなされていなかったのではないかという疑惑が出てきています。

上記で説明したように、まずはPTSで100株約定されます。ここまでは一緒です。

次に東証に900株の注文が発注されます。このPTS注文と東証への注文のわずか0.3秒の間にヘッジファンドのコンピュータシステムが即時に個人投資家の成行買い注文を察知して、先回りして東証に残っている100円の売り注文900株を約定させてしますのですすると、個人投資家は100円で900株を約定させることができず、101円で900株を約定させることになってしまうのです。

つまり、個人投資家は本来もっと安値で株式を保有できていたのに、高値で仕込むことを強制され損害を被ります。そして、このヘッジファンドは、横取りして買った100円 x 900株の株式を、瞬間的に個人投資家の成行買い注文にぶつけてしまえば、101円で売却することができますので利益を得られることになるのです。

実際に損害を被るのはデイトレーダーと成行注文発注者

デイトレーダーは1円の鞘抜きを死ぬ気になって取りに行きます。つまり、今回のSOR問題によって知らないうちに実は損害を食らってしまっていたなんてことがあるかもしれません。

また、成行注文をしなければ、損害は被りませんので、指値注文を心がけてみるといいかもしれませんね。

なので、このデイトレーダーと成行注文発注者の2つに該当しないのであれば、このままSBI証券を使い続けていても特に問題はないかと思います。しかし、私個人的には、この件がすごく胸糞悪かったので、すぐにSBI証券で保有していた銘柄をすべて処分して、他の証券会社に移すことに致しました。

 

 

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